監査には分類する方法から、会計監査、業務監査、経営監査、内部監査、外部監査、法定監査、法定外監査があります。
業務監査の重要性
一般的に監査というと会計監査(財務書類の監査)を意味します。しかし、会計のみの監査では会計は過去のデータですから問題点や不適切な取り扱いを過去に遡って是正することができません。そこに業務監査の必要性が出てきます。業務監査は、過去の業務のみならず、これからの業務即ち計画等に対しても監査を行い問題点が無いかを第三者の目で検討します。従って、監査の対象が組織の内部統制、ガバナンス、コンプライアンス、リスク管理、財務管理(財務書類の監査及び証明を除く)、人事労務管理、環境保護、個人情報保護、経営計画、経営戦略等にも及びます。
監査人の種別による監査
内部監査と外部監査があります。内部監査は、監査役、監査委員等の監査です。外部監査は、公認会計士、公認外部監査人等の監査になります。
法定監査と法定外監査
会社法、金融商品取引法等に定められた監査を法定監査と言います。法令に定めのない監査を法定外監査といいます。公認会計士の会計監査は殆どが法定監査です。業務監査及び公認外部監査人の監査は法定外監査になります。
経営監査とは
経営監査は業務監査と会計監査の両方をおこないます。会計監査は、会社法、金融商品取引法等に規定されて法令を遵守した監査が必要になります。それは厳格な監査で、反すれば厳しい処罰が待っています。しかし、業務監査には法定の規定はなく任意の監査ですから組織体の自由に定めることができます。そのために業務監査を行わない組織がほとんどだと思います。これからの厳しい環境で生き残り発展するためには経営監査の導入が必須になると考えます。しかも、現在の企業における経営監査は内部監査が主流ですが、必要な経営監査は外部監査こそ重要と考えます。内部監査では第三者の異なる目にはならないからです。経営監査の外部監査を導入するかしないかが組織存立の分かれ道になる時代だと思います。日本経営監査学会も昨年に設立されました。
監査の専門職
公認会計士法には、「財務書類の監査及び証明」は公認会計士以外は報酬を得て行うことができない趣旨の規定があります。業務監査については法令に規定がありません。しかし、行政書士は、事実証明に関する書類の作成と事実証明を業として行うことができます。業務監査証明は、事実証明であり、事実証明書類の監査は業務監査そのものになります。行政書士法のこの解釈を理解している人は少なく残念ですが行政書士法を読み込むと理解できると思います。
業務監査を行う資格
行政書士法は、事実証明書(事実証明に関する書類)の作成を行政書士以外の者に業として行うことを禁止していますが、監査を行うことまでも禁止はしていません。従って、業務監査は何の資格もなくても行うことができますが、業務監査は高度の専門監査知識が必要ですから誰でもが業務監査を行うことができるわけではありません。そこで、公認外部監査人が必要になります。公認会計士の行う監査は法定監査ですから資格も法律によりますが、業務監査は法律に定めがありませんから監査資格も民間資格が良いと考えます。
公認外部監査人は、一般社団法人マネジメント団体連合会が公認する監査資格です。財務書類の監査以外の現場財務監査と業務監査を受託して行います。